国土交通省が平成27年の公示地価(平成27年1月1日現在)を発表した。
今回の特徴としては、全国平均でみると商業地が前回のマイナスから横ばい、住宅地も下げ幅が縮小し、リーマンショックに端を発する地価下落基調も徐々に終息に向かっていることが窺える。中でも三大都市圏平均でみると商業地、住宅地ともに前回同様上昇しているが、上昇幅としては商業地がより上昇しているのに対し、住宅地が縮小している。これは商業地にかかわる投資用不動産の市況回復が鮮明となっている一方で、個人住宅需要の投資マインドは消費増税等の影響もあって、やや冷え込んでいることが影響しているものと思われる。
一方、地方圏においては回復はしているものの商・住ともに依然下落している。
今後においても経済の先行き不透明感は依然払拭できておらず、しかも人口減少が懸念される現今の状況下においては、この趨勢は当面続くものと思われ、都市間・地域間・用途間において地価の二極化傾向が窺える。
なお、商業地の地価上昇を支える要因の一つに、マンション用地として住宅転用する動きがあげられるが、これは限られた人口の謂わば争奪であり、都心の生活利便性が選好基準となる生活スタイルの変化も手伝って、都心部の人口増、郊外部の人口減という構図は歴然とするところであり、実際その動きは予てから見られるところで、市町村間での人口移動を始め、都心部内においても、より中心部への移動が見られるなど、広域的にみても狭域的にみても人口の二極化は進んでいる。