これまで土地の個別的要因に対して建物の個別的要因は詳細な定めがなかったが、今般建物の用途に応じて詳細な要因が列挙されることとなった。
まず今回は各用途に共通する個別的要因を挙げる。
①設計、設備等の機能性として
各階の床面積、天井高、床荷重、情報通信対応設備の状況、空調設備の状況、エレベーターの状況、電気容量、自家発電設備・警備用機器の有無、省エネルギー対策の状況、建物利用における汎用性等に特に留意する必要がある。
②建物の性能として
建物の耐震性については、建築基準法に基づく耐震基準との関係及び建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づく耐震診断の結果について特に留意する必要がある。
③維持管理の状態として
屋根、外壁、床、内装、電気設備、給排水設備、衛生設備、防災設備等に関する破損・老朽化等の状況及び保全の状態について特に留意する必要がある。
④有害な物質の使用の有無及びその状態として
建設資材としてのアスベストの使用の有無及び飛散防止等の措置の実施状況並びにポリ塩化ビフェニル(PCB)の使用状況及び保管状況に特に留意する必要がある。
⑤公法上及び私法上の規制、制約等として
増改築等、用途変更等が行われている場合には、法令の遵守の状況に特に留意する必要がある。