わかっていた事とはいえ、実際に数字を見せつけられると愕然とする。
大阪における百貨店売上効率のことだ。
ここ大阪では近年新規開店、増床、改装が盛んに行われ、日本随一の百貨店激戦区となっている。
たしかに売り場面積が増大したことにより、全体としての売上高は伸びており、地域経済に少なからず貢献している面もあるが、問題は売り場面積の増大ほどには売上が伸びていないことにある。
つまり、売り場面積1平米当りの売上高は減少傾向を示しており、梅田地区100万円台、心斎橋地区160万円台、難波地区130万円台で、特に日本一の売り場面積となった梅田地区が低水準となっていることが窺える。
当該売上効率は、銀行融資の際における健全性を判断するひとつの指標となっているもので、これが100万円を基準としているらしいことからすると、梅田地区は危機的状況あると言わざるを得ない。しかも今月にはグランフロントの開業が控えていることも考えると尚更である。
これまでは店舗の増床等を行わなければ競合店舗との競争に敗れるとの懸念から、チキンレースさながら増床等を繰り返してきたわけであるが、人口減少社会に突入し、さほど商圏の拡大が期待できない現状においては、抜本的な対策が必要となろう。
私が言うまでもなく各企業は何らかの対策を考えておられることかとは思うが、外国人観光客の更なる取り込みはもちろん、従来競争関係にあった他店舗と協力しての、街全体のイメージ戦略や新たなサービス提供をしていくことにより、客層・購買内容等の拡大を図っていくことが重要と考える。